北海道の酪農コンサルタント 鈴木技術士事務所が運営しています。
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Q1 ルーサン乾草をほ場で収穫したいのですが
A1 マメ科牧草で、蛋白質とミネラルが高く、繊維の消化性にも優れ、産乳性の高い飼料です。北海道でも栽培している生産者はいます。牧草品種の主体であるチモシーが収穫時期となる少し前に適期を迎え流ので、収穫作業が分散する利点もあります。年3回刈りが可能で、高い収量も期待できます。一方、収穫作業で株元がタイヤに踏まれることで枯死しやすく、4~5年で収量が低下し、裸地に雑草が生えやすくなります。
北海道の気候では、乾草利用をすると収穫調製時の (テッターの攪拌による) 落葉が多く、乾草の栄養価はあまり望めません。予乾してサイレージ調製する方が有利です。また単播ではなく、チモシーやオーチャードと混播する方が裸地や雑草が抑制でき、草地更新後に長期間利用できる利点があります。
Q2 バンカーサイロの牧草サイレージですが、発熱や変敗があります。
A2 バンカーサイロは水平型サイロと言って、施設が比較的安価に建てられ、大型牧場やTMRセンターなどで装備されています。
サイレージ調製のポイントは、原料草の糖分濃度を上げ、刈取り直後にサイロ内を速やかに嫌気的状態にして、乳酸菌優占として発酵させることです。このために、原料草は予乾した後に細切して収穫します。サイロ詰め込み時の踏圧により酸素を追い出し、上掛けシートで完全に密封させることがポイントです。発熱や変敗は、踏圧が甘かったり(重量×時間が不足、均一でない等)、土砂の混入で雑菌が繁殖したり、密封が不十分であったりなどの原因が考えられます。
バンカーサイロには大量のサイレージが貯蔵できますが、発熱や変敗があると大きな損失になります。牧草の収穫・調製作業には、細心の注意が必要です。